今回は、業務スーパーを展開する㈱神戸物産について有価証券報告書から読み取れる情報を書いていきたいと思います。
時価総額は、2022年10月現在で9千億円、中堅スーパーの雄といったところでしょうか。
初めて店舗を見たときは、一般人でも入ってよいのか迷いました・・(業務用で買わないので)
どこでもみられるようになりましたね~
乾物は結構買ったりします。
神戸物産の有価証券報告書はこちらから。
なお、日本の時価総額1位はトヨタ自動車です。
企業分析してみよう! トヨタ自動車㈱【7203】-TOYOTA- (事業内容/業績/給与/リスクなど)
事業内容は?
有価証券報告書(2021年10月期)から、【事業の内容】をみると、「業務スーパー事業」「外食・中食事業」「エコ再生エネルギー事業」の区分に分かれていることがわかります。
業務スーパー事業はFC本部としての事業とあり、フランチャイザーとしての事業運営ということがわかりますね。直営店舗ではなくて、FC店舗運営者に店舗のノウハウとサプライチェーンを提供(コンサルと商品売上)し、ロイヤリティをとる事業モデルということです。商品についてはグループ内で自社製造しているようです。魅力ある商品の開発力が強みの一つと言えそうですね。
また業務スーパー以外にも、飲食店舗も直営店として運営しているようですね。太陽光発電所を17か所、所有しているようです。いわゆるメガソーラーというやつですね。
ではセグメントの数字から見ていきましょう。
セグメント・・・各社の営む事業領域のようなもの。有価証券報告書ではセグメント別の業績を記載する必要があり、どの事業が成長しているかなどを把握することができます。
やっぱり業務スーパー事業がほとんどを占めているんですね~
外食・中食事業は赤字のようですが、原材料の調達コストは業務スーパーのサプライチェーンで低コストに抑えられると想定され、まだこれからといったところでしょうか。
エネルギー事業も利益率が意外と高いんですね。
電力価格高騰も追い風でしょうか。
では、ほとんどが業務スーパー事業だという理解のもと、数字の推移を見てみましょうか。
売上の伸びがすごいことになってます。純資産もすごい勢いで積みあがってますね・・
FC店舗数がそれだけ伸びているということでしょうね。しっかり差別化もできており、地方にはまだ伸びしろがありそうです。店舗数について開示されているか、みてみましょう。
店舗数は?
【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】のところに、エリア別の店舗数が開示されていますね。
【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】では、会社の業績に関する分析が書かれています。決算説明資料よりも細かく書かれていることもあります。
これをみると関西・関東に店舗が多く、その他の商圏ではまだまだ未出店エリアは多そうですね。
年収や平均勤続年数は?
有価証券報告書には【従業員の状況】を記載する項目があります。
平均年齢や勤続年数、給与なども開示されています。
平均年齢や勤続年数、給与は親会社の情報のみが開示されています。
グループ会社は含まれていません。
親会社の業務スーパー事業に従事されている方はそんなに割合が高くないんですね。
小売り全般に言えることかもしれませんが、給与は低めかな~。というか、正社員が少ないですね!!
製造子会社や商社機能子会社に多く在籍しているように見受けられますね。
なお、年収で有名なのはキーエンスです。
キーエンスってどんな会社?業績は?年収や勤続年数は?将来性やリスクは?
事業のリスクは?
最後に、神戸物産の「事業のリスク」についてみてみましょう。
有価証券報告書には【事業等のリスク】を記載する項目があります。
神戸物産では、計15個のリスクが記載されています。
その中でも目に留まるのは「FC戦略について」のリスクでしょうか。
業務スーパーをやりたいという人が少なくなっちゃうと、業績が伸びないってことですね~
でもそうしたら直営店舗を増やせばよいのでは?
そのような状況になったとしたら、魅力のある店になりきれていないということでしょうから、直営店舗で展開するのも厳しいかもしれません。大前提として、FCとして店舗固定資産を極力持たないビジネスモデルであることを考えると、やはり商品力の維持が最重要課題ということでしょう。
終わりに
近年ではドラッグストアも食品を取り扱うなど、スーパー小売り事業は常に激しい競争にさらされています。その中でもオリジナル商品をどんどん出す業務スーパーのような会社に、新たなジャンルやカテゴリーを生み出してもらいたいですね。
お店に行くと他にはない品ぞろえなのでワクワクしますよね。
当記事が、多くの会社を知る一助になれば幸いです。
ではまた次回お会いしましょう。日進月歩。
神戸物産という名前からは「業務スーパー」は想起されません。ブランドに合わせて会社名を変えるケースも多くあるため、将来的に「業務スーパー株式会社」なんて名前に変わることもあるかもしれませんね。