今回は、公認会計士という職業について書いてみようと思います。
知名度があるようで、ないですもんね。
…まさしくそのとおりでして、クローズドな世界かもしれませんね。
せっかくなので、オープンにしていきたいと思います。
会計士試験について
公認会計士は1次試験、2次試験、修了試験とあり、一般的には「2次試験」の合格のタイミングで就職することが多いです。
昔は修了試験とは言わず、3次試験という位置づけでした。実際の中身は大きく変わっていないと思います。
3回も受けないといけないとは、大変ですね・・
そうですね。ただ修了試験は実務経験を積んでからでないと受験資格が得られませんので、2次試験合格のタイミングで就職することになります。無職ではない(収入がある)という意味では、修了試験の心理的ハードルは低いという印象ですね。合格率も相対的に高いので、修了試験であきらめるというケースは少ない気がします。
やっぱり2次試験までのハードルが高いですね。
令和4年の受験者数、合格者数は下記に開示されています。
01.pdf (fsa.go.jp)
なるほど・・。逆にいうと2次試験まで合格すれば、会計士として生きる道は開かれるということですね。
そうだね。大半の人は2次試験合格後は監査法人に就職するよ。
監査法人・・・監査法人とは、監査業務を専門に行う法人のことです。監査法人は、会計監査や内部統制監査などの業務を行い、その結果を報告します。監査法人は公認会計士が5名いれば設立できますが、上場企業の監査業務の大半は大手監査法人が担当しています。
監査法人の業務
監査法人というくらいだから、監査してるんですよね?
監査といっても色々と種類があるんだ。
上場会社は金融商品取引法に基づく監査が必要で、非上場の会社でも一定の基準を超えるものは会社法に基づく監査が要求されているよ。
ほかにもあるんだけど、法律により義務付けられている監査のことを「法定監査」と呼ぶね。
これらの監査業務は公認会計士の独占業務とされています。
監査といっても色々あるんですね~
監査の種類は、公認会計士協会HPで詳しく説明があります。
監査以外にも、いわゆるコンサルのお仕事も多いね。どの監査ファームでも、コンサル部門が一定のボリュームがあるよ。
ただ監査先にはコンサルはできなかったりする。
確かにコンサルしている先に監査もしてるってなると、信用なくなっちゃいますね。
監査のためには、「独立性」を担保することがとても大事なことだから、業界としても監査法人としても厳しいルールがあるんだ。
監査法人のスタッフは毎日何してるの?
監査法人の監査部門に配属されると、複数のクライアントの監査を担当することになることが多いかな。もちろん超巨大企業を担当すると、1社専属になることもあると思う。
毎日書類のチェックをしてるんですか?
監査って1年通して完了するものなんだよね。なぜなら会計士の監査報告書は「クライアントの決算書」に添付するものだから。
クライアントの1年間の成績表について、「この成績表の記載は正しいですよ」とお墨付きを与えるイメージかな。
なので、毎日書類のチェック、例えば、売上と根拠資料の一致をチェックしているわけではない。
書類のチェック以外はどんな仕事があるんですか?
現代監査においては、会社の伝票を全部チェックすること(精査といったりする)は不可能なんだよね。ITの進化で自動化が進んだ結果、取引件数は膨大だから。
なので、監査は基本的にサンプリング(試査といったりする)で行うんだ。つまり、全部は見ないということ。
全件見ないんですね。それでちゃんと間違いは見つけられるの?
もちろん重要な取引は精査に近いことをするけれど、それでもサンプリングの要素は入ってくるね。サンプリングといっても適当にチェックするわけではなくて、きちんと統計理論に基づいたチェックをするんだ。だから「監査の計画」は理屈の積み上げなんだよ。
会社の決算月までは、期中の取引の検証と、「監査の計画」の理論構成をずっとやってる感じかな。
もちろん社長にヒアリングしたり、内部統制の検証をしたり、多方面からの手続が要請されているから、決算以外の時期も結構忙しかったりする。でも繁忙期以外は長期休暇も取りやすいから、集中した働いて、しっかり休みたいという人には向いてるかもしれない。
やっぱり難しそうです。。大変なんですね。
もちろんスタッフのうちは先輩や上司の指示を受けて作業するから、心配はいらないんだけどね。監査はまだまだ労働集約的な仕事だから、労働時間は長くなりがちかな。
ただ今後ITの活用がさらに進めば、労働環境は良くなるんじゃないかな。
監査でもITの知識が必要なんですね。
監査って、やっぱりヒアリングが大事なんだ。どこにリスクがあって、クライアントがどう対応しているか。監査法人は会社の人じゃないから聞かないとわからないからね。
だからコミュニケーション能力がとても大事で、好奇心や知識欲のある人には向いている職業だと思う。
・毎日書類のチェックをしているわけではない。
・決算期以外も仕事はある。
・繁忙期は閑散期がある。閑散期の休みは取りやすい
・ヒアリングが重要なので、コミュニケーション能力が求められる。
・好奇心や知識欲のある人に向いている。
会計士のキャリアプランってどうなの?
会計士は多くの人が最初は監査法人に入るんだけど、そのあとは大きく次の4つかな。
・監査法人でパートナー(共同経営者)を目指す
・監査法人のコンサル部門へ専門職を目指す
・独立開業
・転職、CFOなどを目指す
全員が監査法人にずっと残るわけじゃないんですね~
もともと全員が残るような組織になってないからね。逆にいうと外でも生きていけるスキルを身に着けることができるってこと。
パートナーは社長とは違うんですか?
社長は会社に一人しかいないけど、パートナーは大手であればたくさんいるよ。
パートナーの信頼と責任で、監査報告書を発行しているから、クライアントが多ければ、それだけ人数が必要なんだ。
ただパートナーになる人はほんの一握りだね。
独立開業はイメージできるけど、転職もあるんですね。
監査法人の経験を活かして、経理マンになったり、内部監査をやったり、それこそ経理部長やCFO(役員)職で転職するケースもあるよ。
会計士のキャリアの選択肢は広いと思う。
終わりに
会計士の仕事とキャリアについてざくっとお話したけど、これはほんの一部分です。
選択肢が広く持てるというところは、魅力的だと思いました。
そうだね。ただどんな仕事でも同じだけど、やっぱりネガティブな面(例えば、日々の仕事のプレッシャーや、長時間労働など)もあるから、興味がある人は、ぜひ色々な会計士の話を聞いてみてほしいと思います。
日進月歩。