今回は、ベビーおむつのmoonyや、フェミニンケアのソフィ、今や日常的に着用するようになった超立体マスクなど、生活必需品を世界に販売するユニチャーム株式会社について有価証券報告書をザクっと読み解いていきたいと思います。
売上は2021年12月期で約8千億円、時価総額は2022年11月現在で2兆9千憶円と、日経新聞による日本企業の時価総額上位ランキングでも45位(2022/11/14現在)に入っていますね。
日本人ならムーニーブランドを知らない方はいないかも。オムツ、生理用品ではトップシェアを持ちます。
確かに生活になくてはならない製品ですね。
今回みていくユニチャームの有価証券報告書はこちらから。
ユニチャームの社名の由来を調べてみました。日々、何気なく聞く会社名もいろいろな想いが込められていますね。
「ユニ・チャーム」の「ユニ」は、「Universal(ユニバーサル)」「Unique(ユニーク)」「United(ユナイテッド)」の3つの意味を持ち、“世界的に通用するユニークな商品やサービスを提供する統合した会社でありたい”という思いが込められました。また、「チャーム」は、「Charm(チャーム)」という意味で、生理用品メーカーとして、“女性にはいつも魅力的(チャーミング)であって欲しい”という願いから、社名に取り入れられました。このようにして、「ユニ」と「チャーム」をあわせた「ユニ・チャーム」という社名が誕生したのです。
https://www.unicharm.co.jp/ja/company/history.html
事業内容は?
有価証券報告書(2021年12月期)から、【事業の内容】をみると、「パーソナルケア事業」「ペットケア事業」「その他事業」の区分に分かれていることがわかります。
非常にシンプルな事業内容ですね。
シンプルなのは投資家の立場からすると重要で、評価しやすい会社と言えますね。
では セグメント の数字から見ていきましょう。
8割以上がパーソナルケアですね~
やっぱり有名ブランドをいっぱい持っているだけありますね。
利益は9割近くがパーソナルケアが生み出しています。
海外比率も非常に高くなっていますね。
日本での売上は3割程度で、残りは海外で稼いでいます。
アジア中心に展開していますね。将来の人口増加エリアを抑えているといえそうです。
欧米向けの売上は大きくないんですね。
てっきり先進国向けが大きいのかと思ってました。
欧米は巨大な競合企業(P&Gやキンバリー・クラークなど)が既にマーケットを取っていることから、積極的に展開しない戦略なのかもしれませんね。
なるほど・・
確かにうまみはなさそう・・
パーソナルケア製品、オムツにしても生理用品にしても、いったん市場で受け入れられれば、手放すことができない製品ですよね。これにメイドインジャパンというブランド価値も加わって、非常に強力な製品群を持つ会社と言えますね。
新興国に早い段階で進出し、市場の創成期にシェアを取っていくという戦略と思われます。
確かに、布おむつから紙おむつにいったん変わってしまえば、もう元には戻れないですね・・
ムーニーパンツは、パンデミック前は インバウンド で爆買いされているニュースもありましたし・・。まだまだ成長余地があるビジネスということですね~
どこで作ってるの?工場や拠点はどこ?
海外比率の高い同社ですが、メーカーですので、どこで作っているのかを見てみましょう。
国内製造拠点は香川、福島、静岡、福岡に主力工場がある感じですね~
工場配属は地方か~。福岡は都会かな?
海外の製造拠点はインド、インドネシア、中国、サウジアラビアとなかなか特色ある感じですね。
特にインドとサウジアラビアの製造拠点は日系ではまだまだ少数派でしょう。
インド、インドネシアは人口爆発が起きているところですから、地産地消に向けた体制作りが進んでいると言えそうです。
インド配属は私はちょっと・・
でもグローバルで働きたい人にはチャンスは多そうですね!
グローバルに展開するメーカーに興味があれば、ぜひこちらもご覧ください。
企業分析してみよう!㈱資生堂【4911】-SHISHEIDO 化粧品大手-(事業内容/業績/給与/リスクなど)
年収、平均勤続年数は?
有価証券報告書には【従業員の状況】を記載する項目があります。
平均年齢や勤続年数、給与なども開示されています。
平均年齢や勤続年数、給与は親会社の情報のみが開示されています。
グループ会社は含まれていません。
ほとんどがパーソナルケア所属ですね。
平均勤続年数も長いほうかな?給料も良いですよね~
従業員のロイヤルティの高い会社といえるかもしれませんね。
また従業員の半分以上は海外所属と読み取れますので、グローバルなコミュニケーション能力(英語)は必須でしょうね。
やっぱりそうですよね・・
英語がんばろう・・
事業のリスクについて
最後に、ユニチャームの「事業のリスク」についてみてみましょう。
有価証券報告書には【事業等のリスク】を記載する項目があります。
ユニチャームでは、計12個のリスクが記載されています。
ここでは「人口動態の変化に関するリスク」とそれに対する「対応策」をみてみましょう。
「人口動態の変化に関するリスク」に対する当社の主な対応策等
有価証券報告書 事業等のリスクより
世界中の人々が平等で不自由なく、その人らしさを尊重し、やさしさで包み支え合う、心つながる豊かな社会である「共生社会」の実現に寄与することをミッションとし、赤ちゃんからお年寄りまで全ての生活者と、パートナーアニマル(ペット)が抱える様々な負担からの解放を促し、生きる楽しさを満足することに貢献する商品とサービスを世界のあらゆる国・地域の中でバランスよく展開することで人口動態の影響を受けにくい企業活動を目指しております。また、市場の成長ステージに応じた商品戦略により、対象人口が減少してもラインアップ多様化や商品価値訴求で需要の維持拡大に努めております。
労働力人口減少の対策として、国籍・性別・年齢・障がいの有無に関わらず多様な人材が、強みを活かしていきいきと活躍でき、働きがいを実感する職場環境づくりを推進しております。具体的には、個々のキャリアビジョン・キャリアプランに基づいた育成計画や適材適所の人員配置、四半期評価・階層別研修を実施することで成長機会を提供し、自ら課題設定し解決できる人材の輩出を目指しております。また、働き方や働きがいは自分で決めることを促すために、リモートワークの導入やコアタイムを撤廃、働く場所や時間の選択肢を増やし、創造性・生産性を高める柔軟な働き方を進めております。さらにシニア人材の活性化、女性活躍推進等にも積極的に取り組んでおります。
多様な人材、成長機会、働きがい、それを実現するための施策がうたわれていますね
すごく働きやすそうだと感じました。
統合レポートを見ると、女性比率も高いと思います!
終わりに
今回取り上げたユニチャームについては、なんといっても生活を豊かにする生活必需品を取り扱っているという点が非常に強力だと思います。
インドやインドネシアの次はアフリカと、人口拡大エリアにおいては、衛生製品のニーズはますます拡大することは間違いないでしょう。
売上1兆円も遠くない目標ですね。
メイドインジャパンのクオリティとブランド力をもって、成長余地は大きいですね!!
当記事が、多くの会社を知る一助になれば幸いです。
日進月歩。