今回は、トマトジュースで有名なカゴメ株式会社について有価証券報告書をザクっと読み解いていきたいと思います。
時価総額は、2022年10月現在で2,800億円、トマト市場ではトップシェアといったところでしょうか。
これだけ特定の農作物にフォーカスした上場企業も珍しい気もします。
やっぱりジュースにしてもピューレにしてもKAGOMEさんなら安心感がありますね~
今回みていくカゴメの有価証券報告書はこちらから。209ページの大作です。
事業内容は?
有価証券報告書(2021年12月期)から、【事業の内容】をみると、「国内事業」「国際事業」の区分に分かれていることがわかります。
国内事業では加工食品が細分化されており、ここが主力のようですね。野菜生活100シリーズは製品名ですし、存在感がみてとれます。
ではセグメントの数字から見ていきましょう。
セグメント・・・各社の営む事業領域のようなもの。有価証券報告書ではセグメント別の業績を記載する必要があり、どの事業が成長しているかなどを把握することができます。
加工食品が利益の大半を稼いでいますね。
農業は利益率が低いようです。
天候や、トマト市況に影響を受けやすいこと、価格競争が厳しいことがあるようですね。
ただ、生産から製品までの一気通貫に強みがあるともいえ、数字には表れませんが加工食品事業にも貢献している部分はありそうです。
前年比でみると、国際事業は前年度から大きく改善していますね。
海外はコロナの影響で、外食産業向けの売上が大きく落ち込んでいたようです。増収増益は反動ですね。オーガニックな成長率はしっかり見る必要があると思います。
海外の生鮮は現地特有の商流や慣行もあったりするので、そのまま日本のモデルを持っていくのは難しいのかもしれません。
国内のマーケットは成長余地が大きくないと思われますが、飲料を中心に安定した利益が見込まれる会社ですね。
同じ食品メーカーでも冷凍食品といえばこの会社ですよね。
ニチレイってどんな会社?業績は?年収、勤続年数は?将来性、リスクは?
ビジネスモデルは?
【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】のところに、かなり詳しく自社のビジネスモデルの記載がありますね。
かなり記載が充実している印象です。写真も多いので読みやすいのでは。
売上が倍々になっていくビジネスではないだけに、ビジネスモデルをはじめ、強みをしっかり理解してもらうという意図が読み取れますね。
年収や平均勤続年数は?
有価証券報告書には【従業員の状況】を記載する項目があります。
平均年齢や勤続年数、給与なども開示されています。
平均年齢や勤続年数、給与は親会社の情報のみが開示されています。
グループ会社は含まれていません。
親会社は全員が国内事業所属になっているのね。
平均勤続年数も長いです。
従業員のロイヤルティの高い会社といえるかもしれませんね。
国際事業は、ある程度海外子会社に裁量を持たせる経営スタイルと言えそうです。
事業のリスクは?
最後に、カゴメの「事業のリスク」についてみてみましょう。
有価証券報告書には【事業等のリスク】を記載する項目があります。
カゴメでは、計15個のリスクが記載されています。
いわゆる一般的な記載が多く、あまり目立ったものはありませんが、固有のものとしては「天候変動による不作、調達価格上昇や供給不足」のリスクでしょうか。
最近は異常気象も多いので、農作物生産のリスクは上がっている気がします。
そういう意味ではBCP(事業継続計画)が非常に重要といえるかもしれません。
生産調達拠点を1か所に絞らず、インシデント発生時でも事業を継続できるアジリティ(強靭性)が求められますね。
終わりに
今後、マーケットの健康志向はますます深化していくのではないかと思われます。
その中でもトマトのみならず、消費者の健康貢献によりダイレクトに訴求するような製品がますます出てきそうですね。
確かにトマトジュースは飲むだけで体に良い!と思えるだけの製品力がある気がします。
ポテンシャルはまだまだあると言えるかも・・
当記事が、多くの会社を知る一助になれば幸いです。
日進月歩。
カゴメという社名の由来は何だろうと思って調べてみたら、Q&Aがでていました。
収穫する際の”籠の目(カゴのメ)”が由来なんですね。