今回は、日本を代表する食品メーカー、山崎製パン株式会社について掘り下げていきたいと思います。パンや和菓子、洋菓子など、多岐にわたる商品を提供する山崎製パンの有価証券報告書をザクっと読み解いていきたいと思います。
売上高は2023年12月期で約1兆2千億円、時価総額は、2024年6月現在で約7千億円。
今日は山崎製パンについて見ていきましょう。いわずもがな、パン業界の大手で、日常的に親しまれている会社ですね。
パンといえば「ランチパック」や「ダブルソフト」が真っ先に思い浮かびますね。どれも定番中の定番です。
戦後日本の成長とともに大きくなってきた会社だね。
春のパン祭りはなんと1981年からやってるんですね!?自分が生まれる前からやっているとは・・
山崎製パン | ヤマザキ 春のパンまつり ヒストリー (yamazakipan.co.jp)
今回みていく山崎製パン株式会社の有価証券報告書はこちらから。
事業内容について
有価証券報告書(2023年12月期)から、【事業の内容】をみると、事業は主に次の4つに分類されています。
- (1)食品事業(パン、和・洋菓子、調理パン・米飯類、製菓・米菓等の製造販売)
- (2)流通事業(コンビニエンスストア事業、食品スーパーマーケットの経営)
- (3)その他(物流事業、食品製造設備の設計、監理及び工事の請負、事務受託業務、損害保険代理業、食品製造機械器具の洗浄剤の製造販売等)
パンの製造販売がメインで、他にも洋菓子や和菓子も作っているんですか。
そして「デイリーヤマザキ」といったコンビニエンスストアも運営しています。これが他社と差別化する要因の一つです。ちなみに、同業他社としては、フジパンや敷島製パン(Pasco)などがあり、これらの企業も日本全国で幅広くパンの製造販売を行っています。
「その他」の事業は、山崎グループでパンを売るための物流や設備を対応する事業なので、(1)(2)がメインだね。
よく見てみると、不二家や、サーティワンアイスクリームも山崎製パングループなんだと今気づきました。
業績について
規模が大きいので セグメント でそれぞれの規模感をみればいいですね~
売上1兆1千億円のうち、食品事業がほとんどなんですね。
利益もほぼ食品事業です。
「ロイヤルブレッド」や「菓子パン」などが売上を牽引しているようですね。
物価高もあってか、低価格帯商品が好調のようです。
セグメント・・・各社の営む事業領域のようなもの。有価証券報告書ではセグメント別の業績を記載する必要があり、どの事業が成長しているかなどを把握することができます。
やっぱりコンビニやスーパー事業は全体からすれば小さい規模のようですね。(セグメント利益(営業利益)も赤字です。)
自社のストロングポイントに資源を集中させているということでしょう。
これほどの規模感の会社となると、良くも悪くも多角化が進んでいくものですが、本業以外は手を出さないという方針なのでしょう。
確かにどれだけ技術革新があっても、パンがなくなることはないですもんね。
年収、平均勤続年数は?
有価証券報告書には【従業員の状況】を記載する項目があります。
平均年齢や勤続年数、給与なども開示されています。
平均年齢や勤続年数、給与は親会社の情報のみが開示されています。
グループ会社は含まれていません。
グループ全体で従業員が3万人、うち本社(提出会社)は2万人だから、ほとんどが親会社勤務なんですね。
ほとんどが日本での売上だから、子会社数も規模からすると少ないですもんね~。
日本はこのままいけば人口減少は明らかだから、これから海外に出ていくことになるかもしれませんね。
気になる給与ですが、578万円、平均勤続年数は15年。
どう見たらいいんでしょう?
本社に所属の方が2万人もいるから、平均値としては普通か良い方じゃないかなと思います。
おそらく、年齢ととともに職位と報酬も安定して上がるのではないかと想像されますね。
平均勤続年数は長いといっていいでしょう。
確かに労働組合の組合員数も2万人を超えているから、従業員には良い環境なのでしょうね!
働きやすさ
最後に、女性の働きやすさの指標についてみてみましょう。
上場会社は有価証券報告書に
・管理職に占める女性労働者の割合
・男性労働者の育児休業取得率
・労働者の男女の賃金の差異 などを記載する義務があります。(2023/3期より義務化)
経営層における女性比率の実績が2.7%は、多いとは言えないですね。
男性の育児休業取得率28.2%も、まだまだこれからでしょうか。
おそらく、採用は40~50%は女性ということなので、管理職になる前に離職してしまうケースが多いのでしょうね。山崎製パンにとっての課題でしょうね。
HPにも女性活躍推進についてコメントがあります。
女性の活躍推進
当社では、性別にかかわらず個人の能力や適性に応じた適材適所の人材配置を基本としています。女性も安心して生き生きと活躍することのできる環境を整備するため、積極的な女性の採用と役職登用を推進するとともに、結婚・出産・育児というさまざまなライフイベントの中、継続して勤務することのできる両立支援制度の拡充を図り、研修の実施や積極的な広報による制度の周知に取り組んでいます。また、当社の製品には女性消費者も多く、女性目線での積極的な製品開発にも取り組んでおり、業績の向上に寄与しています。
山崎製パン | 社会・環境 | 従業員とともに (yamazakipan.co.jp)
終わりに
山崎製パンは、もはや日本の食文化を支える重要な企業の一つといえるでしょう。これからも美味しいパンを提供し続け、また従業員にも働きやすい職場環境を整えることができれば、さらなる成長が期待できますね。
パンにかかわらず、日本の食品の安心・安全のクオリティは非常に高いと思います。
これからはますます海外にも広がっていくのでしょうね。
当記事が、多くの会社を知る一助になれば幸いです。
日進月歩。
山崎製パン戦後日本の成長とともに大きくなってきた会社です。その中で、パン製造会社をいくつも買収もしています。沿革はこちらからどうぞ。
山崎製パン | 企業情報 | 沿革 (yamazakipan.co.jp)