今回は東レを取り上げます。名前は知っていても何を作っているのかよくわからないですよね。。
時価総額は、2022年10月現在で1兆円、売上は2022年3月期で2兆2千億円と、超大企業の部類です。国内繊維メーカー大手の一角を占めます。(大手4社とか5社と言われているようです)
経団連会長も輩出していますね。
では早速みていきましょう。
有価証券報告書はEDINETや、各社のHPから見ることができます。
東レの有価証券報告書はこちらから。
なお、日本の時価総額1位はトヨタ自動車です。
企業分析してみよう! トヨタ自動車㈱【7203】-TOYOTA- (事業内容/業績/給与/リスクなど)
事業内容は?
有価証券報告書から、【事業の内容】をみると「繊維事業」、「機能化成品事業」、「炭素繊維複合材料事業」、「環境・エンジニアリング事業」及び「ライフサイエンス事業」とセグメントは多岐にわたります。
これを見てもまだ良くわからないですね・・・
まずは規模感を把握するために数字を見てみましょうか。ここではセグメント情報を見ていきます。
繊維事業と機能化成品事業が2つの柱のようですね。(航空機製造の)ボーイング社との取引のイメージが強く、東レといえば炭素繊維のイメージがあったので少し意外でした。ただ航空機需要はコロナウィルスで落ち込んでいる影響もありそうです。
繊維というのは、衣服に使われる繊維でしょうか?
機能化成品・・??
事業内容はイメージが付きやすいように主要製品が記載されています。
繊維はイメージ通りの繊維ですね。ちなみにユニクロのヒートテックやエアリズムも東レとの共同開発です。もともとの社名も東洋レーヨン㈱だったのが、レーヨンだけの会社ではなくなったので、「東レ」と変えたのでしょうね。
機能化成品は樹脂やポリエステルなんですね~
樹脂素材は自動車や生活用品など、どこにでも使われているものですね。裾野が広い素材と言えそうです。石油由来の原料を使用するため、原料価格の上昇や、サステナビリティは課題になりそうです。
化学関係の会社の会計監査は難しい部分があります。特に原価計算などはブラックボックスになりがち・・
研究開発活動が重要!
売上については、自社のマーケティング力もありつつも、世の中の経済状況に左右される部分も大きそうです。素材開発が将来の成長に欠かせない部分でしょう。
ということで、研究開発の状況をみてみましょう。
有価証券報告書には【研究開発活動】という項目が必須の記載事項とされています。
セグメント別に非常に詳細な記載がなされていますね。研究開発が会社の競争力の源といった様子がうかがえます。研究開発費の金額だけ記載しているような会社もあることを考えると充実した開示となっています。
これだけ専門的な要素が多いと、経営層も役割分担せざるを得ないかもしれませんね・・。
ホームページを見ると、製品情報はとても充実していそうな感じです。
ただ素人には難しいかも・・
素材メーカーは、一般消費財メーカーと違って、製品の具体的なイメージを持ちにくい分、一般投資家は手を付けにくいということはあるかもしれませんね。
最近は各社コーポレートブランドのCMも増やしてきているように思いますので、もっと分かりやすい開示があれば、もっと評価されるのではとも思います。
年収や平均勤続年数は?
有価証券報告書には【従業員の状況】を記載する項目があります。
平均年齢や勤続年数、給与なども開示されています。
平均年齢や勤続年数、給与は親会社の情報のみが開示されています。
グループ会社は含まれていません。
平均勤続年数は長めかな・・
連結会社の状況の人員数を見ると、機能化成品に比較して、繊維事業は労働集約型のビジネスということが言えそうです。親会社のセグメント別人員数をみると、逆に繊維事業の人員数が少ないのは、日本法人では管理職以上が多いためではないでしょうか。
なお、年収で有名なのはキーエンスですよね。
キーエンスってどんな会社?業績は?年収や勤続年数は?将来性やリスクは?
事業のリスクは?
最後に、東レの事業のリスクについてみてみましょう。
有価証券報告書には【事業等のリスク】を記載する項目があります。
東レでは計10個のリスクが記載されています。
やはり1番目に記載のある「気候変動、水不足、資源の枯渇等の環境課題に関わるリスク」でしょうか。
サステナビリティが声高に叫ばれるなか、レピュテーションをいかに保つかは重要な課題の一つでしょう。サステナビリティについての開示を積極的に行っていくのではないでしょうか。
終わりに
なかなか目立ちにくいビジネスですが、日本が強みを持つ領域の一つでしょう。
GAFAMのようなテック企業が日の目を浴びるなか、日陰をいきながらも、なくてはならない会社ですよね。暮らしを便利にしてくれる第1歩を提供するのは素材メーカーかもしれません。
当記事が、多くの会社を知る一助になれば幸いです。
ではまた次回お会いしましょう。