今回は、日本を代表する建築メーカーである積水ハウス株式会社について有価証券報告書をザクっと読み解いていきたいと思います。
売上高は2023年1月期で約3兆円、時価総額は、2023年9月現在で約2兆円。
一戸建てといえばまず最初に思い浮かぶ会社といってもよいでしょう。
阪神大震災でも1棟も倒れなかったと、当時の上司が教えてくれましたね。
さすが大手ハウスメーカーですね~
積水ハウスにはチーフアーキテクト制度というのがあります。
一級建築士が3,000名ほど(これだけすごい規模ですが)もいるのに、そのうち10%ほどしか選ばれない、住宅設計のプロ中のプロが、チーフアーキテクトを名乗ることができます。
そもそも一級建築士が3,000名もいるんですね・・
どんな集団なのか想像つかないです。
今回みていく積水ハウス株式会社の有価証券報告書はこちらから。
事業内容について
有価証券報告書(2023年1月期)から、【事業の内容】をみると『当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社、連結子会社345社及び持分法適用関連会社40社で構成され、戸建住宅事業、賃貸住宅事業、建築・土木事業、リフォーム事業、不動産フィー事業、分譲住宅事業、マンション事業、都市再開発事業、国際事業等に関連する事業活動を行っています。』とされています。
連結子会社が345社というのは、かなり多いように感じますね。
大半が海外子会社のようなので、許認可の関係で別法人が必要なのかもしれません。
確かに、社長でも全部は覚えてないのでは、という数ですね。。
事業系統図で見ても、300社近くが記載省略なので、やはりそれぞれの子会社が重要というわけではなさそうですね。
事業系統図・・・有価証券報告書では企業グループの商流が図として記載されています。ここで大まかな商流とグループ会社の機能を理解することができます。
業績について
規模が大きいので セグメント でそれぞれの規模感をみればいいですね~
売上が2兆9千億円、海外子会社が多いというので、海外が多いのかと思いきや、日本での事業がメインなんですね。
利益もほとんど日本事業からですし。
前にみた住友林業とは戦略が違う感じですね。
セグメント・・・各社の営む事業領域のようなもの。有価証券報告書ではセグメント別の業績を記載する必要があり、どの事業が成長しているかなどを把握することができます。
確かに海外比率が低いのは逆に驚きでした。
それだけ日本で圧倒的な存在感があるということだね。
やっぱり家を買うってなると、(予算があうかはともかく)いったんは考えますものね。
家は安心して買いたいですしね~
年収、平均勤続年数は?
有価証券報告書には【従業員の状況】を記載する項目があります。
平均年齢や勤続年数、給与なども開示されています。
平均年齢や勤続年数、給与は親会社の情報のみが開示されています。
グループ会社は含まれていません。
グループ全体で従業員が2万9千人、うち本社が1万4千人だから、半分は本社所属なんですね。
日本採用の人は、大半は日本勤務になりそうですね。
海外転勤なく、日本で働きたいという方にはいいんだろうね。
気になる給与ですが、8百万と高給ですね。住宅メーカーはどこもそうかもしれませんが、
平均年齢がちょっと高めなので、若手が相対的に少ないのかもしれませんが・・
住宅は景気動向や金利の影響を大きく受けるから、米国の景気持ち直しの動向が、業績アップに貢献して、給与も上昇という好循環なのかもしれないね。時系列でみてみたらいいかもしれない。気になる方はぜひ。
なるほど。そういう見方もあるんですね~
働きやすさ
最後に、女性の働きやすさの指標についてみてみましょう。
上場会社は有価証券報告書に
・管理職に占める女性労働者の割合
・男性労働者の育児休業取得率
・労働者の男女の賃金の差異 などを記載する義務があります。(2023/3期より義務化)
積水ハウスは1月決算なので、まだ開示義務はないのですが積極的に開示をしていますね。
会社の意識の高さがうかがえます。
女性管理職比率が2.9%は、多いとは言えませんね~
男性の育児休業取得率は100%越え、育児休業はほぼ全員取れている感じです。
賃金差異が53%ってことは、女性は男性の半分しかもらっていないということ?
これについては補足説明があります。
平均勤続年数が女性の方が短いので、平均給与が低く計算されているようです。あと給与の高い営業職に女性が少ない(女性割合が10%)ということのようですね。
当然ですが、同一等級の給与水準は同等とありますので、女性の勤続年数については会社の課題ととらえられています。
終わりに
戸建てといえば積水ハウスというイメージもありますが、マンションや都市開発も手掛ける総合デベロッパーに近い会社です。
一度は積水ハウスの広い家に住んでみたいですね。
・・夢を持って頑張りましょう!!
当記事が、多くの会社を知る一助になれば幸いです。
日進月歩。
積水ハウスはもともと積水化学工業のハウス事業部を設置したのが始まりです。
1960年創業なので、60年以上、家を作り続けています。
今でも積水化学工業は大株主の1つですが、持ち分比率3%程度と完全に独立しています。