今回は、飲料メーカー大手であるアサヒグループホールディングス株式会社について有価証券報告書をザクっと読み解いていきたいと思います。
売上高は2022年12月期で約2兆5千億円、時価総額は、2023年9月現在で約2兆8千億円。
特にビールの製造販売では最大手ですね。
いわずと知れたASAHI スーパードライの会社ですね。
ビールですぐ思いつくのは、スーパードライか、キリン一番搾り、サントリーエビス、サッポロ生とかですかね。
大手の一角というイメージです。
最近ではジョッキ缶が、新しい市場を開拓しましたね。
ジョッキ缶の開発ストーリーが公開されてますね。
もともとビール缶って、(吹きこぼれを防ぐために)泡立たないように作られていたんですね~。
だから開発も大変だった・・。結構面白く読めました!
今回みていくアサヒグループホールディングス株式会社の有価証券報告書はこちらから。
事業内容について
有価証券報告書(2022年12月期)から、【事業の内容】をみると、エリア別に次の5つに分類されています。
- (1)日本(酒類、飲料、食品、薬品の製造・販売)
- (2)欧州(酒類の製造・販売)
- (3)オセアニア(酒類、飲料の製造・販売)
- (4)東南アジア(飲料の製造・販売)
- (5)その他(飼料事業他)
想像どおり、酒類・飲料の製造販売がビジネスの主力ですね。
でも薬品の製造販売はイメージになかったです。
確かにそうですね。その他の飼料事業というのも、メジャーではないかな。
微生物利用だったりっていうのは、おそらくビール製造のノウハウから生まれたビジネスなのでしょう。
連結子会社であるアサヒバイオサイクル(株)はアニマルニュートリション(飼料添加物等)、農業・緑化分野におけるバイオスティミュラント(肥料原料)、微生物利用の製品・サービスの提供を行っております。
有価証券報告書より
よく見てみると、ベビーフードの和光堂や、ミンティアなんかもアサヒグループなんですね。
カルピスもアサヒ飲料なんだと今気づきました。結構色々やっているんですね。
業績について
規模が大きいので セグメント でそれぞれの規模感をみればいいですね~
売上収益が2兆5千億円のうち、日本での事業が半分なんですね。
でも利益は海外が結構稼いでいますね。
セグメント・・・各社の営む事業領域のようなもの。有価証券報告書ではセグメント別の業績を記載する必要があり、どの事業が成長しているかなどを把握することができます。
やっぱり日本のビール事業の存在感が大きいですね。また海外の酒類事業はスーパードライを売っているわけではないようですね。
沿革を見ると、それぞれ現地のビール会社を買収して、海外進出していることがわかります。
海外には海外の地ビールというか、それぞれ歴史あるビールがありますもんね。
年収、平均勤続年数は?
有価証券報告書には【従業員の状況】を記載する項目があります。
平均年齢や勤続年数、給与なども開示されています。
平均年齢や勤続年数、給与は親会社の情報のみが開示されています。
グループ会社は含まれていません。
グループ全体で従業員が2万9千人、うちホールディングス本社(提出会社)は164名だから、ホールディングス所属はほぼいないんですね。というか、ほぼ子会社からの出向扱いのようだから、基本的にホールディングスに籍を置くのは通常はないってことですか。
海外比率は半分くらいですかね~。
海外ビジネスは、現地の会社を買収して展開しているようだから、おそらく日本で採用された方はほとんど日本で勤務することになるのではないかと思いますね。もちろん管理者などは海外出向もするんだろうけど・・
気になる給与ですが、1200万超と超高給ですね・・!
ホールディングス所属の方がスーパーエリートなのかもしれませんが、それでもグループ全体で高い水準が期待できますね。
勤続年数の11年はどう見たらいいでしょう?
確かに超高給と言っていい水準だね。
大半が出向者でこの水準ということは、おそらく出向元の子会社も同水準なのでしょう。
勤続年数も同様で、おそらくある程度の経験を積んでからホールディングスに出向されているだろうと思いますので、子会社での社歴もあることを考慮すれば、実際の平均勤続年数はもっと長いだろうと思います。
さすが大企業という感じですね。
働きやすさ
最後に、女性の働きやすさの指標についてみてみましょう。
上場会社は有価証券報告書に
・管理職に占める女性労働者の割合
・男性労働者の育児休業取得率
・労働者の男女の賃金の差異 などを記載する義務があります。(2023/3期より義務化)
アサヒは12月決算なので、まだ開示義務はないのですが、 統合報告書 に「経営層における女性比率」が記載されています。
経営層における女性比率の実績が27%は、多い方ですね。
目標は40%と公表しているから、これから女性の昇格が増えそうですね~。
おそらく、管理職になる前に離職してしまうケースが多いのだと想像しますが、いかに会社に残ってもらうかが、アサヒにとっての課題でしょうね。
ただ、こうやって目標を開示した以上、経営者は達成するために様々な施策を実施するのが通常です。目標達成しないと、株主からの評価が下がりますからね。
来年からはもっと詳細なデータが開示されるので、追いかけていきましょう。
終わりに
最近はノンアルコールのビールも市民権を得て、多くの人に飲まれるようになりました。
乾杯のお酒といえばやっぱりビールが主役ですが、そのような文化を守りながらも、新しい文化を作っていってもらいたいですね。
日本のビールのクオリティは非常に高いと思います。
これからは海外にもジャパニーズビールを広めてもらいたいですね。
当記事が、多くの会社を知る一助になれば幸いです。
日進月歩。
アサヒビールは創業120年を超えています。ジャパニーズビールの歴史を作った会社の一つとして、今後も続いてほしいですね。沿革はこちらからどうぞ。
歴史・沿革 | 企業情報 | アサヒグループホールディングス (asahigroup-holdings.com)