今回は、調味料で有名な株式会社味の素について、有価証券報告書をザクっと読み解いていきたいと思います。
売上は2023年3月期で約1兆3千億円、時価総額は2023年9月現在で3兆円、旨味調味料といえば、赤色パッケージのアレですよね。
他にも旨味調味料の会社ってあるはずだけど、他に思いつかないくらいに、有名な会社ですよね。
これを使うだけでおいしくなるので、不思議です。。
あれ、こんぶの旨味なんですね~。そう考えると使いやすいかも!
今回みていく味の素の有価証券報告書はこちらから。
事業内容について
有価証券報告書(2023年3月期)から、【事業の内容】をみると、『当社グループは、当社、連結子会社110社及び持分法適用会社14社より構成され、調味料、栄養・加工食品、ソリューション&イングリディエンツ、冷凍食品、医薬用・食品用アミノ酸、バイオファーマサービス(CDMO)、ファンクショナルマテリアルズ(電子材料等)、更にその他の事業活動を行っております。』とされています。
調味料や冷凍食品は知ってましたが、医療用アミノ酸や電子材料とかはイメージなかったです。
アミノ酸は本業から来ているんだろうけど、電子材料はどういう接点があるのか、興味深いですね。
調べてみたら、半導体の一部の部材で、世界シェアほぼ100%のようです。。
ABFフィルム | イノベーションストーリー | 研究開発 | 味の素グループ (ajinomoto.co.jp)
びっくりですね。
研究開発の結果が活きたということですね。変化の激しい環境では常に将来の商売の種をまくのは重要なことです。
では売上の内訳をみていきましょうか。
やっぱり調味料と食品が、売上の主力なんですね。でも冷凍食品はギリギリ黒字・・
ヘルスケアは調味料食品に比べて利益率が倍くらいありますね。今後はヘルスケアが稼ぎ頭になりそうです。
地域別の売上もみてみましょうか。
思った以上に、海外で売れてるんですね!
日本での売上は3割くらいなんですね。
円安の追い風もあって、海外事業は好調のようですね。
食品メーカーに興味があれば、ぜひこちらもご覧ください。
企業分析してみよう! カゴメ㈱【2811】-KAGOME-(事業内容/業績/給与/リスクなど)
年収、平均勤続年数は?
有価証券報告書には【従業員の状況】を記載する項目があります。
平均年齢や勤続年数、給与なども開示されています。
平均年齢や勤続年数、給与は親会社の情報のみが開示されています。
グループ会社は含まれていません。
やっぱり調味料・食品関連の従業員が多いですね。
平均給与が1000万円越え、勤続年数も20年越え・・・今まで見た中でトップクラスですね・・!
平均勤続年数が20年もあって、平均年齢44歳というと、若手も多く採用しているのではという感じがしますね。
良い会社なのだろうと数字からも想像できますね。
女性の働きやすさ
最後に、女性の働きやすさの指標についてみてみましょう。
上場会社は有価証券報告書に
・管理職に占める女性労働者の割合
・男性労働者の育児休業取得率
・労働者の男女の賃金の差異 などを記載する義務があります。(2023/3期より義務化)
味の素は、開示に積極的な会社で、かなり細かく開示があります。
女性管理職比率が13%というのは、メーカーとしては高いほうですよね。
男性の育児休業取得率も90%と、非常に高い比率だと思いますね。
賃金差異が68%というと、結構差があるんでしょうか?
注記を見ると、『労働者の賃金について、人事制度は一本化されており、同等職務レベルであれば男女の賃金は同一となります。なお、労働者の男女の賃金の差異は、主に男女の管理職比率の差によるものです。』とあるので、これから女性管理職がどんどん増えるだろうことを考えれば、これから縮まっていくものと思いますね。
終わりに
食品の会社は、時代や環境が変わっても、突然需要がなくなることはないので、長期にわたって安定成長が見込める会社の一つでしょう。
本業の食品のみならず、電子部品といった本業以外が成長していることも、非常に良いですよね。本業にこだわらない柔軟さ、変化できる会社だと思います。
当記事が、多くの会社を知る一助になれば幸いです。
日進月歩。